破壊神

歩く少年、行き先は無し。

あっ、そこに煙草があるぜ。吸えばどうだ?
俺はいいよ、その匂いは好きだけどさ。
まだ未成年なんだ、副流煙で我慢するさ。
可笑しいよな。吸ってる奴より、
周りにいる奴らの方が有毒な煙を吸うんだなんて。
まあ他人の事なんてどうでもいい奴らが吸う物だしな。
そんな事はどうでもいいさ。気にすんなよ。
実際他人の事なんて考えられない奴らばっかだ。
可笑しいよな。優しい奴より、
他人のこと切り捨てる奴の方がいい思いするって。
駄目だなこんな世の中は。
こんな醜い二足歩行型哺乳類が、世界を支配してるだなんて。
この世界でたった60億の俺たちがだぜ。
こんな事なら俺が神にでもなるかな。
じゃあな、もう会うことはないだろうけどな。
そう言って俺は、彼の煙草の火を消した。


そして俺は、人類の命の火を消した・・・