じごくのおはなし

むかしむかし、えらいひととえらいひとが、いいあらそいから、けんかになりました。
おこったえらいひとは、ぶきをてにとりました。
あいてのえらいひとも、ぶきをてにとりました。
えらいひとたちのくにのおとなたちも、ぶきをもちました。
おとながこどもをおそうので、こどもたちもぶきをもちました。
こうして、せかいじゅうにぶきをもたないひとはいなくなりました。
そして、みんなはころしあいました。
さいごにぐうぜんのこった、むかしどこかのくにでえらかったひと。
ゆうやけみたいにまっかなせかいで、そのひとはいいました。
「ああ、けんかするあいてもいない」と。